卒業生からこんな話を伺いました。
外出先で、喉が痛み黄色痰を伴う咳、粘稠な鼻水、軽い寒気を感じたので急いで
ドラッグストアで漢方薬を買い求めたそうです。
ご自身で選んだ漢方薬は銀翹散と五虎湯ですが、レジで支払いの際に
登録販売の方から「こちらの二種類の漢方薬は併用できませんが、
よろしいですか?」と、尋ねられたそうです。
銀翹散と五虎湯は、いずれも辛涼解表薬に属す方剤です。
辛涼解表剤は外感風熱証の治療に適応する方剤で、臨床表現は発熱・汗出・
軽い悪風寒・頭痛・口渇・咽痛・或は咳嗽・舌苔薄白或は微かに黄・脈浮数等が
あげられます。
ドラッグストアの店員さんは、新薬の考え方で併用が好ましくないと
判断されたのかもしれませんが、風熱感冒で喉の痛みと黄色痰を伴う咳、
粘稠な鼻水、軽い寒気があるなどの症状から、銀翹散と五虎湯の服用量の調節は
必要ですが間違った選択ではありません。
中医学では、このように組み合わせて服用する方法を合方といいます。
漢方薬の本来の使用方法が理解されていない現状に
とても残念なことだと感じました。
店頭において効果的な漢方薬の利用が推奨されるよう期待したいと思います。