中医学の強みとは

中医学は、医療現場から薬局、施術、健康食品開発、薬膳など様々な現場で活用されています。

中医学には、医食同源の歴史と原則があり、病気の治療や予防のための医術として発展した中医薬学と、日常生活の中で健康増進を目的として伝えられて発展した薬膳理論などがあります。

中医薬学は、数千年の歴史を有し、人々の長きに渡る疾病との闘いによる極めて豊富な経験を総括した学問です。 患者さんの状態を正しく把握し的確に処方された漢方は、それまで西洋医学が無効だった症状にも、きちんと結果を出すことが可能です。現在、病院、薬局、研究開発の現場など、幅広い分野で幅広く活用されています。

中医学の活用方法

医師の方

医学の視野を広げます。

西洋医学と中医学、双方の視点から分析・判断できるようになり、処方の幅が広がります。

西洋医学は精密で分析的な手法によって患者にアプローチしますが、中医学では患者を取り巻く環境を含んだ全体を捉えて診ます。 西洋医学とは異なる方法論の中医学を学ぶことで、漢方薬も有効に使って治療効果を高めることができます。中国の病院で「中西医結合」と呼ばれる、西洋医学と中医学の融合的医療の実現に繋がります。

薬剤師の方

漢方相談に付加価値を。

病を防ぐ「未病先防」によって、適切な漢方薬の提案ができるようになり、相談の幅が広がります。

中医治療の最も大きな特徴に「未病先防」という考え方があります。未病先防とは、文字通り「未だ発生していない病気を先に防ぐ」ことです。
病院で診察を受けても、病気はみつからない。なのに体調がすぐれないといった悩みをお持ちの方がいらっしゃいますが、このような方には、「未病先防」による適切な漢方薬の服用が有効となります。もちろん、既に病気を患っていても、その悪化を防ぐための積極的な漢方治療も可能です。
健康増進や日々の養生方法などを安心して健康相談できる医療現場の一つとして、漢方相談に応えられる薬局は、地域医療の核ともなり得、大手ドラッグストアやコンビニエンスストアとの決定的な差別化となります。

整体師・鍼灸師の方

効果的な治療の幅が広がります。

痛みに対する判断能力がさらに高まります。体の状態に合わせて適切な施術が可能になります。

整体師の方が中医学の知識を身につけることで痛みに対する判断能力がさらに高まります。【気滞】【気虚】によるものなのかが判断できるようになり、適切な施術が可能になります。また、鍼灸師の方が中医学の分野を学ぶことで、中医理論の判断である【経絡弁証】と【臓腑弁証】が出来るようになります。結果「取穴」の選択が広がり、さらなる治療効果が期待できます。

開発の方

開発の新しい切り口に。

まだ誰もが気づいていない新たな世界を切り開くためのスキルになります。

西洋医学の薬理学的な評価の上に、中医学の理論を活かして、どのような体質によいか、効果の現れ方、効果が得られない体質などの情報をクライアント様へ提供をする事ができます。
古代から伝えられ現在も研究が進められている中医学は、健康増進に対する新たな可能性を大きく広げます。

販売の方

他社との差別化に利用できます。

競争が激しい健康食品販売において、細かな成分や配合の説明ができるようになります。お客様からの信頼度も上がります。

近年、インターネットの店舗が急増し、価格競争が激しいくなってきました。企業によっては、差別化のために専門家による電話相談という窓口を採用しているところもあります。中医学を学ぶ事で、どのような商品がよいか、ユーザーの皆様の体質に合わせた商品の推奨が可能です。競争激化の分野で差別化という意味においても最高の武器となります。

このページの著者

董 巍(とう ぎ)

中医学アカデミー長、世界中医薬学会連合会常任理事、中医薬学会連合会理事長、中医師

経歴: 1959年生まれ。 遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。 1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。 その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国 世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。 2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミー を設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。