漢方・中医学に関わる資格一覧

このページでは漢方・中医学に関わる資格を一覧できます。

日本には中医学に関する講座や資格がいろいろありますが、基準となるのは国際中医師であると当アカデミーは考えています。

国際中医師を理解するには、まず中医師を理解する必要があります。中医師は中国における国家資格で中医専門の医師です。中医師になるには中医薬大学で五年間勉強し、卒業後に国家試験を受験する必要があります。合格後には、附属病院で一年間のインターンを通じて臨床に入ります。

国際中医師は中医学の履修レベルを証明するために設けられた資格です。試験は世界中で実施されており、中医師が勉ぶ内容の骨子となる基本の五教科を勉強し、受験に合格すると取得できます。

基本の五教科とは中医基礎理論、中医診断学、中薬学、方剤学、中医臨床学科(内科学を中心にして、また外科、小児科、婦人科を含める)。国際中医師はある意味で、中国の中医師の知識レベルに準する資格として理解してもいいです。

この記事の目次

日本における漢方資格について

日本では「漢方」に特化した国家資格は存在しません。しかし、漢方を学び実務に生かすためには、以下のような視点で理解を深めることが重要です。
現在、日本では漢方や中医学に関する民間資格が多くあります。例えば、「国際中医師」や「漢方養生指導士」といった資格です。これらは国家資格ではありませんが、漢方や中医学の知識を体系的に学び、実践に活用するための学びとして役立ちます。

「国際中医師」は、国際的に認められたレベルの高い資格とされています。この資格を取得することで、中医学に関する深い知識と技能を習得し、世界で活躍する可能性が広がります。
国際中医師の詳細や資格取得に関する情報については、以下のリンクをご参照ください。

漢方に関する民間資格

国際中医師

国際中医師は、中医学の理論と診療方法を学び、診断と治療を行うための資格です。臨床においては、患者の身体バランスや症状を診断し、適切な処方を行う能力を備えた医師に与えられる資格です。

漢方、中医学に対して中医師相当の知識を有する専門家であることを証明する資格であり、漢方、中医に関わる全ての人におすすめです。当アカデミーで取得できます。

資格国際中医師
役割漢方医療の専門家
学ぶ内容•中医学の基本理論
•診断学(望診、聞診、問診、切診)
•中薬学(漢方薬に関する知識)
•方剤学(漢方薬の処方に関する知識)
•臨床分野(内科、外科、婦人科などの実践的な治療法)
対象•中医学を基礎にした臨床診療を行いたい医療従事者
•西洋医学で対応できない症状に対して、漢方薬を用いて治療を行いたい薬剤師
•西洋医学の医師で、中医学を取り入れたい人
目的国際中医師の資格保持者は、中医学の理論に基づいて、弁証論幼児治療漢方薬を用いて、経絡通りを改善したり、陰陽のバランスを整えたりすることで、病気の予防、治療、そして健康の維持を図ります。 さらに、慢性的な疾患や複雑な症状に対しても対応可能です。
取得までの平均期間15カ月~24カ月
費用受講料:396,000円から
受験費用:188,000円

漢方養生指導士(初級)

漢方の基礎知識を学び、日常生活での漢方的なアドバイスができるようになる。

資格漢方養生指導士(初級)
役割暮らしの中の漢方が学べる。 健康アドバイザーや美容関連の仕事で役立つ。
取得までの平均期間3カ月
費用(参考)53,000円(受講料)+6,600円(受験費用)

中医薬膳資格

中医薬膳資格は、中医学の理論に基づき、食材や薬膳を使って健康を見極め、病気の予防や治療を行うための知識と技術を持つ専門家に与えられる資格です。中医学の「食養生」理論に基づいて、体質や季節に応じて特定の食材や薬草を組み合わせた料理を用いて、健康の維持や病気の予防・治療を進める手法です。

資格中医薬膳資格
学ぶ内容•基本的な中医学理論(陰陽五行、臓腑経絡、気血津液など)
•食材と中薬の特徴と効能
•薬膳の組み合わせ方法
•体質や病状に応じた食事療法
対象•薬膳健康維持を目指したい人
•料理に中医学の知識を取り入れたい人
目的食事の健康を維持し、病気の予防を行うことを目的としています。また、特定の病気に対して薬膳を置くことで、健康改善を図ることもできます。

中国漢方ライフアドバイザー

漢方を毎日の生活に取り入れられる。

資格中国漢方ライフアドバイザー
役割漢方を生活に取り入れる
取得までの平均期間6カ月
費用(参考)39,600円(受講料)

漢方アドバイザー

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が2008年5月から養成講座を開講し始まった認定資格です。漢方薬局やドラッグストアで、漢方相談を担当できる知識を身につける。

資格漢方アドバイザー
役割漢方薬の正しい知識を持ち、効果的に利用できる。
取得までの平均期間10カ月+試験
費用(参考)108,000円(受講料)+5,000円(受験費用)+4,000円(認定登録料)

漢方薬・生薬認定薬剤師

専門業務分野においてあるレベル以上の能力と適性を持っていることを試問等により確認し、その能力を証明された薬剤師を指します。

資格漢方薬・生薬認定薬剤師
役割患者や処方医師に漢方薬・生薬に関する情報を提供する。
取得までの平均期間講義研修9回+実習1回(※薬剤師の資格が必要)
費用(参考)60,500円(受講料)+22,000円(試験料)

国際鍼灸師(International Acupuncturist)

国際鍼灸師は、鍼灸療法に特化した技術と知識を習得し、鍼や灸を用いて治療を行う専門家に与えられる資格です。体内の「気血(エネルギーと血液)」の流れを調整し、自然治癒力を高めることを目的としています。

資格国際鍼灸師(International Acupuncturist)
学ぶ内容•経絡・経穴理論(経絡とツボに関する知識)
•鍼法・灸法(鍼と灸の技術や方法)
•診断法(症状や体質の診断方法)
•臨床実践(実際の治療における技術習得)
対象•鍼灸療法を専門的に学びたい人
•鍼灸治療を行う医療従事者やセラピスト
目的鍼や灸を使って経絡や気血の流れを調整し、身体の痛みや不調を改善することが主な目的です。 鍼灸療法は、慢性疾患や痛みの緩和、ストレスの軽減、体調不良の改善など、幅広い症状に対応できる治療法です。

漢方に関する国家資格

薬剤師

日本では、漢方薬も医薬品の一種なので、薬剤師が調剤・販売を担当することが多い。

資格薬剤師
特徴病院や薬局で西洋薬と漢方薬を処方・販売する。
取得方法大学で薬学を6年間学び、国家試験に合格する。

医師

漢方専門の医師(漢方医)として漢方薬を処方することができる。

資格医師
特徴一般的な診療と合わせて、漢方医学を用いた治療を行う。
取得方法医学部を卒業し、国家試験に合格する。

漢方の仕事

(1) 医療分野

病院・クリニック
(漢方外来を含む)
医師が漢方医として診療する。
薬局薬剤師として漢方薬を調剤・販売する。
ドラッグストア薬剤師、登録販売者として漢方薬を販売する。

(2) 漢方専門の仕事

漢方薬局薬剤師、登録販売者は漢方相談をしながら、個々の体質に合った漢方薬を提案する。
漢方メーカー製薬会社で、漢方薬の研究開発やマーケティングを行う。

(3) 健康・美容分野

鍼灸院・整体院東洋医学の視点から、体質改善のアドバイスをする。
エステ・美容サロン漢方を取り入れたスキンケアや体質改善の施術をする。

(4) 研究・教育

大学・研究機関漢方薬の成分や作用を研究する。
漢方スクールの講師資格取得希望者や一般向けに講座を開く。

漢方の資格を活かしたキャリア

  • 薬剤師+漢方専門資格(国際中医師など) → 漢方相談薬局や病院の漢方外来で活躍
  • 鍼灸師+漢方専門資格(国際中医師など) → 体質改善のアドバイスを提供
  • 美容++漢方専門資格(国際中医師など)→ 漢方エステやサロンでの施術に活かす
  • ライター・講師+漢方専門資格(国際中医師など) → 漢方の知識を広める活動

まとめ

各資格は中医学の異なる分野に特化しています。漢方を扱うための資格も、医療系の国家資格(薬剤師・医師)から、民間の漢方専門資格資格(国際中医師など)まで幅広い種類があります。

国際中医師は中医学に基づいた診断と治療を行いたい人向け、中医薬膳資格は食養生を通じた健康管理を学びたい人向け、国際鍼灸師は鍼灸を用いた治療に興味のある人向けの資格です。資格を取得することで、中医学を実践に取り入れ、患者や自分自身の健康をサポートすることが可能となります。

漢方をどのように活かしたいのか、目的や学びたい内容に応じて選ぶと良いでしょう。

このページの著者

董 巍(とう ぎ)

中医学アカデミー長、世界中医薬学会連合会常任理事、中医薬学会連合会理事長、中医師

経歴: 1959年生まれ。 遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。 1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。 その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国 世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。 2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミー を設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。