近代(1950年代以降)、中国では中医学の教育が大きく変化し、現代医学との融合が進みました。
近代中医学の主な流れ
1950年代 | 中国は中医学を制度化し、「中西医結合」(中医学と西洋医学の融合)が奨励され、近代教育システムに組み込んでいる中医学の体系化と中西医結合が始まりました。 特に「全国中医工作会議」で中医学教育の統一方針が決まり、中医学大学(中医薬大学)が正式に設立されます。 代表的な大学は北京中医薬大学、上海中医薬大学、遼寧中医薬大学などで、現在では中国全土に30以上の中医薬大学が存在しています。 |
1978年以降 | 改革開放政策で中医学の教育体制がさらに充実し、 中医学の教育・研究強化のため「中医薬管理局」を設立しました。 中医学の「五年制本科教育」(大学5年制)が導入され、中医学のカリキュラムが標準化されます。 西洋医学の科目の導入:解剖学、生理学、病理学、生化学、内科学など。 中医学の科目:中医基礎理論、中医診断学、中薬学、方剤学、鍼灸学、中医内科学、中医外科など。 研究レベル向上のため、修士・博士課程が整備されました。 |
1990年代以降 | 国際標準化、科学技術の導入が始まりした。中西医結合がさらに進み、科学的な研究が活発化されています。 WHOが中医学の診断基準(ICD-11、国際疾病分類 第11版, International Classification of Diseases 11th Revision)を採用し、国際的な認知度が向上するとともに『国際中医師』の標準の実施が始まりました。主にヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国、ブラジル、タイなどで中医学の教育と国際中医師標準試験が盛んに行っています。 |
2010年以降 | AIやビッグデータの活用で中医学の診断や処方にAIを取り入れる研究が進んでいます。 |