証候とは、疾病の特定の段階における病理的な状態を総合的に示す概念です。四診(望診、聞診、問診、切診)で得られる情報を基に、以下の要素を含む病態を明らかにします。
- 病因: 病気の原因
- 病位: 病気が発生している部位
- 病性: 病気の性質(寒熱、虚実など)
- 病勢: 病気の進行や勢い
- 正邪闘争の状態: 体の正気(疾病に対する「抵抗力」と「自然治癒力」など)と邪気(病気を引き起こす要因)のバランス
証候は、疾病が進行する特定の段階における病理的な変化の本質を反映しており、単なる症状の集合体以上に、病気の根本的な性質や状態を正確かつ深く表しています。そのため、証候は病気の全体像を把握する上で極めて重要な指標となります。中医学では、証候を「証」とも呼び、弁証論治の基本となる要素として重視されています。 病の症状の特徴から、正しく証候を判断するために深く基礎理論、診断学などの勉強は必要です。