漢方の調合は中医学の配伍理論に従うものです。
※漢方薬の調合とは、漢方薬の配伍(はいご)と同様の意味です。
漢方薬の調合は中医学の配伍理論に従います。漢方薬は、異なる薬効をもつ複数の生薬を組み合わせて調合することで効果を発揮します。調合には、患者の症状や証候、季節、環境を考慮しながら、個々の生薬の特性を活かし、相乗効果を引き出す工夫が求められます。以下では、漢方薬の調合における基本的な考え方やポイントを詳しく解説します。
漢方調合の基本原則
漢方薬の調合は、中国医学の「方剤学」に基づいて行われます。この学科では、漢方薬を構成する生薬の役割や配合のバランスを理論的に整理し、以下のような基本原則が示されています。
君臣佐使(くんしんさし)の構成
漢方薬は、役割に応じて生薬を「君薬」「臣薬」「佐薬」「使薬」に分類します。
君薬: 主作用を担う生薬(治療の中心)
臣薬: 君薬を補助し、治療効果を高める生薬
佐薬: 副作用を緩和し、全体の調和を取る生薬
使薬: 他の生薬を調和し、全体を統括する生薬
相互作用を考慮する
生薬は単体でも効果を持ちますが、調合することで以下のような相互作用が発生します。
相須(そうす): 効能が類似する生薬を一緒に使用して、生薬の相乗作用によりその治療効果が高まる。
相使(そうし): 主薬を補助して治療を補強する。
相畏(そうい): 副作用や毒性などを軽減する。
相殺(そうさい): ある生薬で他の生薬による毒性、或いは副作用を軽減、或いは解除する
バランスの重視
漢方薬は、全体として「陰陽」「気血津液」などのバランスを整えるよう調合されています。一つの症状だけでなく、病気の性質、部位などの情報を基本にして患者の体全体を調整します。
調合の実際のプロセス
弁証の情報を基本にして、治療原則及び治療方法を立てて、漢方薬の配伍を考慮することは漢方調合のプロセスです。
漢方薬の配伍を考慮した上で、適切な方剤を選択することに繋がります。
注意点
漢方薬の調合には専門知識が必要:
生薬の特性や相互作用を理解せずに調合を行うと、効果が出ない、または副作用が発生する可能性があります。
効果を高める漢方薬の調合をするために、中薬学、方剤学を深く理解する必要があります。