中医アカデミーでは、受講生に中医学に関する専用の辞書をご利用頂いています。(無料)
中医学を理解するうえで、専門用語を正しく理解することはとても大切です。
今回は「肝腎陰虚証」について少しご紹介します。
肝腎陰虚証という用語は中医学の本によく見られます。
肝腎陰虚証とは、肝陰不足と腎陰不足が同時に存在して
眩暈、腰痠、耳鳴などを主要症状とする証候をいい、肝腎虧虚証ともいいます。
臨床では、頭暈や耳鳴、両目乾渋(両目がショボショボする)、
顔が焙ったように熱い、脇肋の灼熱痛、五心煩熱、潮熱や盗汗、口や咽の乾燥、
手足の蠕動、舌紅で少津、弦細数脈などが表れます。
肝腎陰虚証は脇痛、腰痛、虚労、血証、眩暈、月経先期、閉経、痛経などに見られますが、
治療方剤は病名により異なります。
脇痛には一貫煎、腰痛は左帰丸、血証は滋水清肝飲合茜根散、虚労は大補陰丸、
眩暈は杞菊地黄丸、月経先期は両地湯、閉経は帰腎丸、痛経(月経痛)には調肝散を用います。
証候名が同じでも病名により治療方剤が異なるので、
「肝腎陰虚証」を理解する価値は非常に大きいものです。
中医学アカデミーでは、肝腎陰虚証の治療方剤に関する資料以外にも、
このような内容をデーターベースに蓄積し、必要に応じて受講生に提供しています。
目的は一つの証候の意味を理解することで、病名及び治療方剤が
関係する情報を捉え中医学の勉強に役立つからです。
このように中医学の専門用語を深く理解することができれば、
臨床での中医学の応用に大いに役立つと考えています。
中医学アカデミーは生徒さんの更なる成長のために、引き続き努力してまいります。