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すべて登録してあるので、勉強中に中医学を学びながら、国際中医師試験の準備に繋がります。
今回は痰飲に関する問題を紹介します。
問題の内容
「痰飲の形成」と密接な関係がある臓腑はどれか?
A.心脾肝腎
B.心肺脾腎
C.肝胆脾腎
D.肺脾肝腎
E.心肝肺腎
解釈内容
選択肢Aの「心脾肝腎」の心は痰飲の形成と密接な関係がない臓です。
選択肢Bの「心肺脾腎」の心は痰飲の形成と密接な関係がない臓です。
選択肢Cの「肝胆脾腎」の胆は痰飲の形成と密接な関係がない臓です。
選択肢Dの「肺脾肝腎」は痰飲の形成と密接な関係がある臓です。
選択肢Eの「心肝肺腎」の心は痰飲の形成と密接な関係がない臓です。
従って、選択肢Dの「肺脾肝腎」が正解です。
注意点:
「痰飲」には①六淫外感 ②飲食不摂 ③七情内傷の三つの形成原因があります。
痰飲の形成に密接に関係する臓腑は脾肺腎肝です。
具体的に展開すると、脾は水液の運化、肺は水の上源(宣発粛降)、
腎は主水、肝の疏泄に密接に関わり、これらの機能が故障することで
津液の流れを停滞させ、痰飲を誘発します。
痰飲の治療は三つの要点があります。
①発生原因を治療する。②肺脾肝腎の働きを調整する。
③痰飲により誘発した病気を判断し、治療を行います。
問題の選択肢の意味を理解することで、関連する理論への理解を深めることになります。
更に注意点の部分に総合的な解釈、理解の要点を重点に置いて
説明することで、問題の奥深い部分の理解に役立ちます。
この問題では、
生痰の源は脾ですが、痰飲を判断して補脾袪痰で治療しても
効果が得られない場合の理由がある程度で分かるようになります。
腎の働き、肺の働き、肝の働きの故障も関与し、
特に気滞の有無など見落とすことがないよう注意をむけることで弁証の道が開けます。
痰飲の治療の要点は「痰」自身より、痰を生成する臓腑の治療に
重点に置くべき意義がわかるようになることで、痰飲により誘発される
病証への治療も自分の思考範疇に自然に入れるようになります。
痰飲への治療する成功の経験と失敗の経験の総括に大いに役立ちます。