中医学を学びたいと考える方が増えていますが
勉強は困難なことが多く、中医学の思考方法、
専門用語の重要性、弁証の目的、治療の目的などを
深く理解しないことで、頓挫する可能性があります。
今日は、その原因について話をしたいと思います。
まず、思考方法について話をします。
中医学の思考方法は、整体概念と弁証論治の
二つの原則に従うことです。
整体概念には二つの意味を含めています。
体は自然の気候と地方(生活する場所)により対応しています。
気候は四季、気候の変化などが含あれています。
四季の変化では、春は風が強い、夏は暑熱や湿熱が多く
秋は乾燥が強く、冬は寒の気が強いという特徴があります。
体はこの変化に対応するために、五臓の
バランスを保ちながら体を守っています。
春は肝、夏は心脾、秋は肺、冬は腎に影響を強く与えますので
肺心肝脾腎は連携しながら季節の変化に対応しています。
なぜ、対応しなければならないか。
臓器の間の関係は互いに応援しあう、制圧しあう関係があり
臓期間のバランスが取れないと病気が発生するためです。
体の健康を保つ基本は自然の変化に対応し、内臓間のバランスが
取れることで、これが整体概念の考えの基本だと思います。
この考え方に従って、自然界に存在する風暑熱燥寒が随時に体に影響を及ぼし、
体が対応する目的は自身のバランスを取ることであることを理解することが大切です。
内臓の病気がある場合、病気にかかった臓器を治療するだけではなく
内臓のバランスを取れるようにすることが重要です。
整体概念は中医学の「芯」になる考えで、この芯から離れていくと
次第に深く理解できなくなり、頓挫してしまう原因のひとつとして考えられます。
例えば、脾が病気にかかった場合、心腎肝肺に影響することで
体質によって、心脾の病気、脾腎の病気、肝脾の病気などを生じる場合があります。
従って、中医学からみて、一つの臓器の病気は季節の違い
或いは体質によって、症状が異なる部分があるのです。
その異なる現れの原因及び病理状態を把握することが弁証の目的です。
弁証の結果に従い、治療を施すことが論治です。
一つの病気に、必ず一つの治療方法で対応するという考え方で
中医学を勉強してしまうと、いずれ頓挫する可能性が高い為
中医学の教育では、中医学の思考方法について力を入れなければならないです。