中医学での頭痛の治療の中では、腎陰虚による頭痛があります。
腎陰虚による頭痛の特徴は、頭が空になったような痛みで
常に眩暈を伴い、腰痛酸軟、神疲乏力、男子の遺精・
女性の帯下、耳鳴、あまり眠れない、舌紅少苔、脈細無力などが見られます。
治療はよく大補元煎加減を用います。
大補元煎は救本培元・大補気血の効能があります。
(構成生薬は人参15g、炒山薬・杜仲・熟地黄・当帰・枸杞子・
山茱萸各9g 甘草6g)
この漢方は腎陰の滋補に重点を置いた処方で、熟地黄・山茱萸・
山薬・枸杞子は肝腎の陰を滋補します。
人参・当帰は気血双補に働き、杜仲は益腎強腰に働きます。
配合にはいくつか特徴がありますが、注目すべきなのは
人参の配合と当帰の配合です。
陰虚が進む場合、気陰の関係から気虚が生じる恐れが
大きいため人参を配合しています。
肝腎の関係では、肝腎同源という関係があり、
すなわち肝血と腎精が互いに補うことです。
腎陰不足が進むことで肝血が不足になることが多く
当帰も配合されます。
以上の内容は中医基礎理論、中薬学、方剤学などに含まれています。
腎虚頭痛についてさらに深く理解するために、
中医基礎に関連する蔵血、蔵精、疏泄、肝腎同源、
精血同源などを勉強する必要があります。