中医学の勉強 内風について

内風は、風邪(ふうじゃ)が体の中から沸き起こるという意味から内風といいます。
また、内風は風気内動ともいい、内風の発生は主に肝にあるので、
肝風内動、肝風などともいいます。
従って、これら四つの表現の意味は同じだと考えてもよいと思います。

内風を起こす原因は主に二つあり、陽盛と陰血不足です。
陽盛による内風は実証に属し、陰血不足による内風は虚証に属します。

内風の病理特徴は、陰は陽の制約ができないため陽の上昇を
抑えられず風に転化することです。

臨床では、風邪による病と同様で例えば、動揺、眩暈、抽搐、痙攣などが現れます。
陽盛による内風は主に高熱の病証に見られることが多く
熱が盛んでいることが原因で風(ふう)が生まれます。
これを熱極生風といいます。

陰血不足による内風では、その原因は陰血不足であるので虚風ともいうのです。
また病気の進行特徴により、多くのサブタイプが分けられています。
例えば、肝陽化風、血虚生風、陰虚化風などがあげられます。
臨床では、虚風の治療はサブタイプの多さ、変化の激しさなどにより
治療しがたいといわれています。

虚風を深く理解するために、まず中医基礎理論の内生五邪、
風邪の特徴、肝の働きの特徴、肝脾の関係、肝腎の関係などを
深く理解しなければならないと考えています。

※抽搐(ちゅうちく):つる、ひっぱられる。

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