自分の中医学レベルはどの程度?(1)

以前に比べて中医学を勉強する方が多くなりましたが
ご自分のレベルがどの程度なのかを、どう判断するかについて話をしたいと思います。

最初の段階のレベルは五臓六腑と気血の名称、それらの働きを断片的に
知りながら、治療する漢方薬の使用方法を覚えていきます。

また、漢方薬の投与するための特徴症状も教わり
患者に対し、目的を持って病状を聞く心を持つようになります。

例えば、「痛み」を訴える方からは、痛みの場所が動かないなら(固定痛)
瘀血を判断する、また腰痛と膝の無力感などがあれば腎虚を判断するなど
弁証に必要な特徴的な症状などが頭の中で浮かぶようになります。

瘀血なら、活血の働きの中成薬を投与すべきで、桂枝茯苓丸
冠元顆粒、血府逐瘀湯などの中から選びます。
腎陽虚なら、八味地黄丸、鹿茸大補丸、参茸補血丸など、
腎陰虚なら、六味地黄湯、都気丸、杞菊地黄丸などを選択します。

ところが、固定痛は瘀血を表す唯一の症状ではなく、湿邪、寒邪
燥邪、火邪などでもみられる症状でもありますので
固定痛をひき起こした原因を探る必要があります。

また、腰痛の場合は腎虚の他に気滞、湿熱、寒邪などでもみられる症状でもあります。
従って、瘀血を判断して、活血の漢方を出しても効かない場合もあり
同じように腎虚を判断して、補腎の漢方を出しても効果が得られない場合が当然あります。

ご自分のレベルがどの程度まで成長したか…、

病気をひきおこした原因、病気の発展と特徴的な症状など
複雑な病状を分析するには、基礎的な理論を繰り返し勉強する必要があります。

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