先日のブログで腎の開と合の働きを紹介しましたところ
排尿困難の症状がある方が牛車腎気丸を飲みたいと伺いましたので
もう少し掘り下げて紹介します。
中医内科学では、排尿困難は淋証と癃閉という病証があり
排尿量が少なく、排尿の際に痛みを伴わない場合は、癃閉が考えられます。
正常な生理的状態では
水液は胃で受納→脾により転輸→肺に入って肺の粛降により水液を腎へ送られます。
そして腎に送られた水液は、腎の気化作用によって
濁中の清は肺へ送られて全身を潤し、濁中の濁は膀胱へ送られて排出されます。
排尿が少ないなどの治療は、腎虚の他に、肝鬱気滞
湿熱が下焦に存在する、肺脾気虚などがあります。
牛車腎気丸は腎陽虚による浮腫と排尿不利の治療に向いていますが、
肝気鬱結の場合は柴胡疏肝散、逍遙散などの方剤を適切に用います。
また、湿熱が下焦に存在する場合の治療は竜胆瀉肝湯などを
肺脾気虚の治療には補中益気湯などを用います。
これの方剤を正しく投与するために、排尿困難に伴う症状をチェックしたうえに
弁証しなければなりません。
このように弁証するために、土台から中医学を勉強する必要があります。