5月15日に更新した漢方SP講座では、陰陽両虚証について紹介しましたが
アカデミーの練習問題でも陰陽両虚証の治療方法を取り上げています。
腎の陰陽両虚とは、陰陽が共に虚となり、陰虚と陽虚の症状が
同時にみられる病理現象です。
もともと陰虚または陽虚が存在し、時間の経過と共に陰損及陽、陽損及陰を招き
それぞれ、病理変化が見られます。
陰損及陽の病理変化は二つ挙げられます。
1.「陰液虧損」によって「陽気」の生化が不足する。
2.「陽気」が拠所を失い消散する。
もともと陰虚の症状、盗汗、五心煩熱、遺精、口渇、顔面潮紅、
脈細数などがあるところへ、日時の経過とともに病変が発展し、
更に畏寒肢冷、顔面晄白、脈沈弱などの陽虚による症状も現れます。
陽損及陰の病理変化は二つ挙げられます。
1.「陽気虧損」によって「陰」が生まれない。
2.「陰液」の生化が不足する。
もともと、「陽気不足」と「気不化水」の症状、例えば水腫、畏寒肢冷、
腰膝痠軟、などがあるところへ、
日時の経過とともに病変が発展し、喉の乾き、消痩、煩躁、
瘈瘲(手足の痙攣やひきつり、絶え間なく伸ばしたり縮めたりする状態)
歯茎の出血などの「陰虚」の症状が現れます。
陰陽両虚は臨床で多く見れますが、治療は簡単ではありません。
講座では陰陽両虚の治療方法は、「陰陽併補」の採用を説明しました。
代表的な方剤は、鹿茸大補丸と知柏地黄丸の併用がお勧めです。