<弁証の根拠>
1.胸部に刺痛、頭痛、健忘、または半身不随、腹腔に塊がある。
2.神疲乏力、心悸、気短、動くと症状が悪化する。
3.顔に艶がない、舌淡白或いは舌は黯、脈は緩弱。
1症状群+3症状群か、2症状群+症状群で気虚血瘀証と判断することができる。
<治療方法>
補気活血で治療する。
<治療方剤>
1.補陽還五湯
2.冠心Ⅱ号方加味
3.膈下逐瘀湯加味
<臨床応用>
気は血の帥為り。
気虚であれば、血の運行には力がなくなるので瘀血を引きおこし、気虚血瘀証が形成しやすい。
気虚によって生じた血瘀に対しての治療は、補気化瘀を主とすべきである。
代表方剤は補陽還五湯である。
もし気虚が重い場合は、白朮、党参、黄耆を加え補気することができる。
心胸刺痛(多くは冠状動脈心臓病)の場合は、冠心Ⅱ号方の加味で対応する。
脇下に塊があり固定して移動しない場合は、膈下逐瘀湯の加減で対応する。
また、簡易方法として人参6g、三七(田七)3gを粉末にしたものを毎日1回
服用すると補気化瘀の効果が得られ、便利で迅速な方法である。