肺の粛降作用が故障した場合を「肺気不降」といいます。
肺気が下へ降りることができないと以下のような症状が現れます。
1)咳や呼吸困難
清気が吸い込めないと咳、呼吸困難、呼吸が浅くて早くなります。
また、気が下降できず肺に留まるため胸悶と胸痛などの症状がみられます。
肺気を溜めすぎると、肺気は本来とは異なり上昇することになり、激しく咳込みます。
2)便秘
肺は大腸と表裏の関係にあり、肺の働きが不調になると
大腸が影響を受けやすくなります。
例えば、肺気不降になると津液は大腸に送られず、便秘や腹脹が生じます。
3)痰を吐き出す
肺気不降では、老廃物の処理が不調になり、肺に溜まった痰を吐き出します。
肺気不降の原因は主に肺気不足、肺陰不足、痰湿壅肺、肺熱など多くの原因があります。
肺気不足の場合は参苓白朮散を
肺陰不足の場合は養陰清肺湯
痰湿壅肺の場合は二陳湯
肺熱の場合は五虎湯などで治療します。