中医学では、基礎理論の学習が重要であることは度々ご案内してますが、
なかでも臓腑の働きを理解することは臨床現場での中医診断に欠かせません。
今日は、肺の粛降作用の特徴を紹介します。
「粛降」は、清粛、清潔、下降という意味があります。
肺の「粛降作用」とは、肺気を下と内に向かわせる方向性を指しています。
粛降作用の働きは、主に三つあります。
1.清気の吸入
清気は自然界に存在するきれいな空気です。
肺の粛降作用によって自然界の清気をたくさん吸入し、
清気が十分に取り入れられることで宗気の生成に深く関与します。
2.栄養を下方へ輸送
① 肺が吸入した清気を腎までに届くよう働きます。
② 脾が肺に運んだ津液の一部を腎と大腸に送り届けます。
3.老廃物の処理
肺や呼吸道の異物(例えば、痰湿など)を綺麗にして、肺を清潔の状態に保ちます。
次回は、肺の粛降の病理の要点について紹介します。