未病先防は中医学特有の考え方で、「未病」には二つの意味があります。
一つは、健康な状態で未だ病気になっていない状態をいい
もう一つは、病気が潜伏期の状態を指します。
未病先防は、健康が保たれている状態であれば、これからも病気を患わないように予防し
既に病気を発病している状態であれば、病が進行する道を遮断し病気を治療し、
更に予後を良くしていくための治療原則です。
健康だと思っていても病気は発病します。
養生方法は、主に精神的な安定と規則正しい生活習慣を保つことで健康状態は維持されます。
また病が発病に至っていない状態でも、病気の「芽」は密かに育つことがあります。
病の「芽」を事前に摘むためには、中医学の考え方が役立ちます。
例えば、肺に病気の芽がありそれが発病に至れば、
肺の病気は、腎、肝、心などに伝わり、これらの臓腑にも病の「芽」が生じます。
肺の病気が考えられる場合は、肺腎両虚、肝鬱、心肺両虚、
瘀血などを考慮しながら治療薬を選択していきます。
未病先防は奥深い治療原則の一つで、中医基礎理論でこの概念を学びます。