肝腎同源は文字通り、肝と腎の由来が同じであることを指します。
中医学では、肝と腎の関係は主に三つあります。
1.「蔵血」と「蔵精」
2.「疏泄」と「封蔵」
3.陰陽協調の関係
ここでは、蔵血と蔵精の関係について話します。
肝の「血を蔵す」とは、肝は血を蓄えるという働きを指し、
腎の「精を蔵す」は、腎は精気を蓄えるという働きを指します。
精気と血の本来の関係は、互いに生み出しあう関係があります。
「腎中の精気」は「肝血」によって滋養される一方で
「肝血」は腎中の精気によって養われます。
この「蔵血」と「蔵精」の関係を「精血同源(せいけつどうげん)」といいます。
どのように相互に影響しあうか、どのような病理的なプロセスがあるのか、
症状の特徴は何か、治療方法の工夫は何かあるかなどについて、
さらに勉強しなければならないと思います。
例えば、蔵血が故障する場合出血の病気がよく見られ、長期間で
続くと腎精の不足になり、肝腎両虚になります。
蔵血作用の故障を判断する症状、腎精不足の判断要点など
どのような変化が現れたら肝腎両虚を見極めるかなど、
これらの中医専門用語を理解しなければ診断が出来ないのです。
従って、中医学の弁証論治の腕の高さの決定力の一つは
専門用語への理解にあるといっても過言ではありません。
長期間、臨床の場で漢方の仕事に従事しても、中々納得できるような進歩がないと感じたら、
原点に戻って中医基礎理論や中医診断学などを復習し、
温故知新の道を開きましょう。