喘息という病気が肺と腎に関係があることを紹介しました。
腎の納気の働きが故障する病理状態を腎不納気といいます。
生まれつき「腎」が弱い体質でなくても病気が慢性化し
長期間病気を患うと腎は影響を受け、様々な症状があらわれます。
特に長期化の喘息では、腎不納気という病理状態を招きやすく、
臨床症状として息を深く吸い込めない、呼気に比べて吸気が難しい特徴があります。
また、頻尿、腰がだるい、足が疲れやすいなどを伴います。
これらの症状の訴えがある場合は、腎不納気を判断することが出来ます。
深く呼吸が吸えないという特徴から
喘息と関係ない…かもと、無視してはいけません。
これらの症状から病気が肺だけではなく腎もあると判断できるのです。
正しく判断してから治療方法を立て、漢方薬を選ぶことになるのです。
中医学の診断では症状の特徴を掴むことが大切です。
なぜならば、症状の特徴をつかむ目的は病理の特徴を判断することができ、
正しい治療に繋がるからです。
腎の不納気に対しては、補腎をしながら、納気を強める薬を加えます。
例えば、五味子、牛膝などがあり、これらの薬は吸気が深く出来るように応援します。
宣発作用を発揮する生薬は麻黄、桔梗などがあり、
これらの薬は呼気を整えるにするように促します。
中医学の勉強においては、やはり症状の特徴の変化から病理変化を掴み、
正しく治療を行うのが大きいな目的だと考えられます。