衛気は腠理(そうり)の開閉を調節するともに、体と肌腠皮毛(きそうひもう)
を温養し、「衛」の文字通り病邪から体を守る働きがあります。
主に脾で作られた衛気は肺に送られ、肺の宣発作用によって主に皮膚に送られます。
肺の宣発作用に不具合があれば衛気は体全体に届かず、体の不調につながります。
例えば、肺の宣発作用が故障して衛気が皮膚に届かないと
腠理の開閉の調節が円滑にならず汗が出すぎるか逆に汗が出なくなります。
また、衛気の温養の働きが故障すると体を温めることができず
寒気が生じてしまい、長期になると、皮膚が弱くなり皮膚病にかかりやすくなります。
衛気によって体を守ることが故障してしまうと、かぜ、胃腸の病気など
様々な病気にかかりやすくなります。
従って、衛気の宣発の故障は多くの病気の原因と関与します。
肺の宣発作用の故障を誘発する原因は多く、また、脾の病気
肝の病気、大腸の病気、外邪の侵入などによる病証に関与します。
衛気の宣発からその原因の追究は弁証の過程の一つと考えられます。
この意味で、専門用語の意味を深く理解することが、
弁証を行う絶対必要な土台だと断言しても良いです。