喘息の治癒がうまくできず慢性となり、長期間にわたって
つらい症状で過ごされる方は少なくありません。
喘息は肺の病気だと思われがちですが、中医学では呼吸は
肺だけではなく腎との協力のもと行われていると
考えており、
慢性の喘息の治療の際には腎の状態を見逃してはいけません。
肺と腎には主に二つの関係があります。
一つは、肺腎の相生関係ともう一つは呼吸の協力関係です。
肺と腎の相生関係は相互に補う関係を指し、
呼吸の関係は、肺は腎の「納気」という働きによって
深く息を吸い込むことができ
正常な呼吸は肺と腎の協力関係が必要です。
腎の納気とは、吸入した空気を深く吸い込む機能を指します。
長期間の喘息で肺と腎の相互協力の関係が崩れてしまい、
腎も弱わまると、肺腎の主に陰が不足することになります。
腎が虚になれば腎の納気作用が不調になり息を吸い込みにくくなります。
高齢者や慢性の喘息患者さんを観察してみると
深い呼吸が苦手で息苦しそうにみえます。
肺の病気で発生する喘息の特徴は
腎の納気の故障によるものとは全く異なります。
治療の原則と治療方法も正反対になる場合もあります。
肺腎の関係から喘息の治療を理解する、このような考え方は
中医学の弁証論治の奥深い世界では、一つの風景に過ぎません。
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