中医アカデミーのシステムには国際中医師試験の過去問題をすべて登録してあるので、
勉強中に中医学を学びながら、国際中医師試験の準備に繋がります。
今回は血液の化生に関する問題を紹介します。
問題内容: 血液の化生に重要な作用を及ぼすのはどれか?
A.心肺
B.肝腎
C.脾胃
D.脾肺
E.肺腎
回答結果はCです。
解釈について
選択肢A の「心肺」について、水穀精微が上焦の肺に入って、血液を化生します。
選択肢Bの「肝腎」について、腎に貯蔵した精気が血液化生することができます。
選択肢Cの「脾胃」に吸収して運化された水穀精微は血液を化成する最も重要な原料です。
選択肢Dの「脾肺」について、脾が運化する、肺は清穀精微を血液に変更することが
できますが、胃の受納と腐熟が正常でなければ脾肺の血液の化生はできません。
選択肢Eの「肺腎」は血液を化生することができます。
従って、選択肢Cの「脾胃」を選びます。
注意点:
血液の生成に直接に関与する臓腑は脾胃、肺、腎です。
①脾胃について
血は脾胃から吸収した水穀精微に化生した営気が津液を分泌し、脈中に注いで作られます。
②肺について
水穀精微が上焦の肺に入って、血液を化生します。
③腎について
腎に貯蔵した精気は肝に貯蔵した血との間でお互いに養います。
精気が血を化成する一方、血も精気に転化します。
この関係を「精血同源」或いは「肝腎同源」といいます。
纏めると、血液の生成に一番重要なのは精気に直接に関与します。
精気には後天と先天があり、後天の精気が先天の精気を養い、
後天の精気がすべて脾胃の働きにより作られています。
血液の化生は後天の精気(水穀精微から作られます。)が一番重要なのです。
この概念を利用して、脾虚が血虚の第一病因と理解してよいのではないでしょうか。
この問題のトライで得るものが何かについて
脾胃の働きが血液の化生に非常に影響していますが、肺心肝腎も関与しています。
補脾胃で血虚を治さない場合、肺心肝腎の中で病理病因を探す必要があると考えられます。
例えば、長期間の喘促か咳嗽で血虚を生じます。長期間の睡眠の不調で血虚が生じます。
この問題から弁証のヒントが得られますので、中医基礎理論の勉強は非常に重要だと考えられます。
中医学アカデミーはこのように問題のトライを通じて、
生徒さんの中医学レベルを着実に上げるように頑張っています。