自分の中医学レベルはどの程度?(4)

中医学の知識を学び始めの方が陥りやすいのが
「一つの事象だけで体の状態を判断する」ことです。

中医学では問診などに加えて舌象によって
より、正確に現在の状況を判断することができますが
必ずしも舌の状態だけで判断することはありません。

例えば、膩苔があれば「湿邪」と判断し、代表方剤は
胃苓湯、藿香正気散、平胃散などがあり投与します。

ところが、残念なことに「効かない」場合は次に
どのように対応するか考えなければなりません。

膩苔は、湿邪の他に陽虚、痰飲、食滞などでも現れる苔の変化です。

土台から舌診を勉強していなければ、膩苔は=湿邪と判断することになり、
このような安易な診断は、中医学の診断領域が極めて狭く
誤った診断に繋がります。

同様に、痰が白ければ湿痰或いは熱のない痰として判断しがちですが
熱痰、燥痰、脾気虚などの場合でも白い痰が現れることがあります。

これらの知識は、中医診断学の四診の内容に属するものです。

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