中医学を教える仕事に就いて二十数年が経ちました。
自分自身のの経験や生徒さんの誤りの治療などのケースを分析してみると
8割近くが中医学の専門用語の誤解と関与していることが分かります。
中医学の専門用語を正しく理解し、臨床で応用できるようになることで
病気に悩む方を支えることができ、患者さんから信頼を得られるようになります。
例えば、脾気不昇について、これは脾気の昇清作用が故障するという
病理状態を指しますが、昇清作用とは何か、また昇清作用が故障する場合
どのような病理現象が現れるか、その他にも昇清作用が
他の臓、例えば肝腎との関係では何かがあるのかなどが含まれます。
例えば、脾気不昇による眩暈を判断する場合、補中益気湯を投与して
症状がよくならず、逆に病状が悪化するなら、
どう対応するかなど、臨床では切実な問題が沢山あります。
漢方薬は効果がでるまで時間がかかるとか、気長に続けましょう…などと
説明していませんか?
知識は言葉(専門用語)により建てられるものです。
従って、中医学アカデミーの教育方針の一つは専門用語を正しく
理解できるように力をいれています。