脾の働き/昇清(しょうせい)作用について

中医基礎理論では、各臓腑の生理機能を学びます。

今日は、「脾」の働きについて。
脾には、運化、昇清、統血のの生理機能があり
脾の働きで重要な役割を担う「昇清作用」について紹介します。

昇清の「昇」は、脾気が上昇する運動を指し「清」は水穀精微を指します。
水穀は、飲食物で精微は飲食物が体内に入ってから
体に必要なものに変化した状態を現しています。

昇清作用の働きは、主に二つあります。
1)水穀精微を心、肺、頭に昇らせます。
心肺の働きによって水穀精微を気血に化生し全身に巡らせます。
この働きの特徴は吸収した栄養(水穀精微)を上に上昇させて、
水穀精微が全身に行渡るよう利用されることです。
もし、故障するなら水穀精微が痰湿(老廃物)になります。

2)内臓を正常な位置に維持します。
内臓は昇提(しょうてい)作用によって、正常な位置が保たれています。
重力の関係で内臓が下垂するのを食い止めるのは昇提作用によるもので
腎、胃、子宮、すい臓などが脾の昇提作用により正常なポジションが守られています。

内蔵下垂が生じれば、脾の昇清作用に問題がないか
検証する必要があります。

中医学の勉強では、こららの専門用語を理解した上で
体の生理状態と病理特徴、また病理変化などを分析することが出来るようになります。

次は昇清作用の故障に関して、病理状態と適切な漢方製剤を紹介します。

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