中医学では、各臓腑の働きや性質や臓腑との関係など中医基礎理論で学習をします。
肺の「宣発(せんぱつ)作用」について3回に分けて紹介します。
宣発作用には、体内の悪い気(濁気)を排出、
栄養を全身へ渡す、津液と衛気を宣泄する3つの生理作用があります。
今回は、濁気の排出について説明します。
濁気の排出とは、体内の濁気(二酸化炭素など)を体外へ排出するという働きを指し、
濁気を排泄しないと、濁気は肺に留まり詰ってしまうといくつかの病理状態をひき起こします。
まず、大自然から清気を取り込むスペースが肺に少なくなり、
酸素不足の状態に陥ってしまうので、呼吸困難、喘息の症状が見られます。
肺の「気」は皮膚と鼻を通じて外と繋がっていますので、肺の気が正常に動かないと、
汗が出なくなり鼻がつまるなどの症状が現れ、更につまりが酷くなると、噴嚏、咳などが生じます。
治療する場合は、現在の症状をよく観察し、濁気がどのぐらいつまっているかを判断し、
宣発を改善するような処方を選択します。