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肝気を伴う用語には、肝気亢逆、肝気上逆、肝気横逆など複数の用語がよく見られますが、
意味が同じかどうかを理解することに難義します。
今日は「肝気亢逆」について少しご紹介します。
亢逆は亢盛で行き過ぎるという意味があります。
肝気亢逆は主に肝気が過度に鬱結して、肝気の昇発が過ぎて生じた気機の逆乱の病理状態を指し、
気機の逆乱は主に肝気上逆と肝気横逆を含みます。また肝気逆ともいいます。
肝気上逆は肝気が心、肺、頭部に上がりすぎる病理状態を指します。
肝気衝心、肝気犯肺などがあり、頭に亢逆する場合、頭痛、頭脹、面紅目赤を引き起こします。
肝気上逆とともに血も上昇する場合、喀血や吐血も引き起こします。
肝気横逆は肝気が亢盛で脾胃を犯す病理状態を指します。
肝気犯胃、肝気犯脾などを含みます。肝気犯胃は胃痛、嘔吐などを引き起こし、
肝気犯脾は泄瀉、腹痛などを引き起こします。
また、痰が上逆の肝気と共に絡み合って頭部に上がる場合、
清竅(せいきょう)を塞いで昏厥(こんけつ・失神)する危険状態になります。
この概念を理解することで、肝気上逆と肝気横逆は肝気亢逆に含まれていることを
理解することができます。
肝気上逆と肝気横逆の病理の同異点を理解することにより、
それらの症状の同異点を深く理解できるようになり、正確に鑑別診断を行うことに大いに役立ちます。