中医アカデミーのシステムには国際中医師試験の過去問題をすべて登録してあるので、
勉強中に中医学を学びながら、国際中医師試験の準備に繋がります。
今回は生理不順の月経先期に関する問題を紹介します。
問題内容:
月経来潮が予定より早い、量少、色は紅い、五心煩熱、咽乾口燥、舌紅少苔、脈細数。
その証候はどれか?
A.虚熱
B.肝鬱化火
C.湿熱内蘊
D.心肝火旺
E.陽盛血熱
回答結果はAです。
解釈内容:
選択肢Aの「虚熱」は婦人科では、月経先期や崩漏に見られる証候です。
選択肢Bの「肝鬱化火」は婦人科では、月経先期に見られる証候です。
選択肢Cの「湿熱内蘊」は婦人科では、痛経や帯下病に見られる証候です。
選択肢Dの「心肝火旺」は婦人科では、見られない証候です。
選択肢Eの「陽盛血熱」は婦人科では、月経先期や崩漏などに見られる証候です。
従って、選択肢Aの「虚熱」を選びます。
注意点:
月経来朝が予定よりも早いという情報から、「月経先期」を診断することができます。
月経先期は、主に血熱と気虚があり、血熱では更に、実熱と虚熱に分けられていいます。
設問の「五心煩熱、咽乾口燥、舌紅少苔、脈細数」は虚熱を反映する症状です。
纏めると、病名は月経先期です。証候は虚熱です。
月経先期は月経の来潮が平時の周期より一週間以上早まり、三周期以上続く病証ですが
甚だしい場合は一月に二回来朝する病証です。
でも偶然一回だけ早まっただけでは診断はできません。
臨床では、気虚と血熱があり、気虚は脾気虚、脾腎気虚、そして血熱は実熱と虚熱があります。
実熱は血熱旺盛、肝鬱血熱があり、虚熱は陰虚内熱です。
虚熱の治療方剤は両地湯です。
両地湯は滋陰清熱、涼血止血の効能があります。
その構成生薬は炒生地30g 元参30g 麦門冬15g 酒炒白芍15g 地骨皮9g 阿膠9gです。
この問題のトライで得るものが何か
先ず、概念では月経先期の診断基準がはっきりすることで、国際中医師試験だけではなく、
中医臨床活動にも役立ちます。
月経先期の診断後、次に気虚と血熱を鑑別する必要があり、
血熱を判断してから、実熱と虚熱の鑑別を行わなければならいことがわかります。
勉強中に中医学を学びながら、国際中医師試験の準備に繋がります。