8月7日は、立秋。
炎帝は夏の季語で、立秋の前日までを指すそうですが、
今年の猛暑は留まるところを知らないようです。
前回、暑邪の侵入によって汗をかくと気が汗と共に外泄し
気虚を招くことを紹介しました。
生命を維持する気が不足すると様々な弊害をもたらします。
「気」には推動、温煦、防御、固摂、気化の5つの働きがあり、
気虚によって気の推動の働きに弊害が生じれば、血の生成と
運行に影響を及ぼします。
血の運行作用に滞りがあると「瘀血」や「痰濁」などの
病理産物が生じます。
また、気化作用の働きに弊害があれば、体内の新陳代謝は
失調し、物質の転化にも異常を引き起こします。
本来、代謝された津液は、汗、尿などに転化され排出されますが、
必要以上の水分が短時間に体内に入ると気化作用が追い付かず
むくみなどを生じます。
利用されず体内に留まった不要な水分は、痰濁という病理産物となります。
痰濁は「気」が入っていない無用な水液で、どろどろしており気の
流れの邪魔をします。
脳内で気虚による瘀血や痰濁が生じれば脳梗塞などをおこし、
心で滞れば心筋梗塞などを招きます。
脳梗塞及び心筋梗塞などが疑われるケースは、気の推動作用の
低下が原因の一つと考えられます。
また、気が不足すれば血の生成に大きく影響を及ぼし、血虚が生じます。
熱中症を予防するためには、補気と清熱などに働く薬が必要です。
例えば、生脈散或い清暑益気湯などがよく使われていますし、
予防なら少量の西洋ニンジンをお茶の代りに使用します。