漢方薬を勧める方針は弁証の結果に合わせることで、
この一連の行動を論治といいます。
論治を行う場合に絶対行ってはいけないことがあります。
それは、弁証をせず安易に「この漢方は効きますよ」とか
「この漢方はいい薬ですよ」などと進めることです。
例えば、ストレスによる症状は肝血不足もあれば、鬱熱もあります。
もし、あなたが中高年の女性でいらいらするとか、寝つきが悪くて
漢方相談に行った場合、弁証をせずに「加味逍遙散」を
勧められたら、中医学の勉強をなさっていない方だと思われます。
弁証をしないうちに、加味逍遙散を勧めるなら、誤り治療の可能性も生まれます。
加味逍遙散は鬱熱の方の治療に使用することが多い処方で
肝血不足があれば、加味帰脾湯などが考えれます。
随伴する症状と共に論治の作業が必要です。