「心陽旺盛」。
文字から読むとなんだか元気のような感じを受けます。
中医学では、このように漢字の印象に頼って理解が疎かに
なってしまう場合があり、これはとても危険なことです。
心陽旺盛は、心火ともいい
心の陽気が偏盛した病理状態をいいます。
心の陽気偏盛を引き起こす原因の相違から、実火と虚火に
分けられますが、相互に転化する場合もあります。
実火が生じる原因は邪熱の侵入、痰火の内鬱、
五志化火(情志の損傷により火と化す)などで
虚火は心陰不足、心血不足などが原因になり生じます。
「虚火」と「実火」は、心の生理機能である「血脈を主る」と
「神志を主る」に対しての影響が相似しています。
心陽旺盛の場合、心神の撹乱、心火上炎、心火下移などの病理状態を引き起こし
心神の撹乱は心煩、動悸、不眠、狂などの症状を引き起こします。
心火上炎は口内炎など、また心火下移は排尿痛などの症状が現れます。