中医婦科に関する内容は「中医学ライブラリー」に載せていますが
本日は、月経量が多くなる原因について紹介します。
月経過多は、月経来潮時に正常の血量を超過、あるいは来潮の日数が延長し、
七日以上に及び経血が過多になるもの
ただし一ヶ月に一回の周期性を失わず周期内に止まると、あります。
経血の量が過度に増えると、体が疲れ貧血の状態に陥いります。
月経過多をひき起こす原因は多く、その病理は凡そ、体に熱が盛んでいる状態か
気が非常に弱いか、血の流れが停滞するなどがみられます。
「体に熱が盛んでいる」状態では血も熱をもち、これを血熱といいます。
盛んでいる熱によって血の流れを加速させ、正常な血の運行が妨げられ
脈管外に漏れ出てしまいます。
「気が非常に弱い」状態を気虚といいます。
気の働きの一つに固摂作用があり、
この固摂作用が低下すると血や津液の漏出を防ぐことができず
漏れ出てしまい出血が止まらなくなります。
「血の流れが停滞する」状態を血瘀といい、詰まった溝から水があふれるように
血が血瘀が生じた部分から漏れてしまいます。
治療の際には、月経量が多い点だけでなく、それをひき起こす原因や
病理状態を把握することが漢方薬の選択には不可欠です。
患者からの詳細な情報を中医師に忠実に提供することで、
月経過多を招いた情報を読み取ることができ、適切な漢方薬を提供できます。
一方、中医学を学習するうえで表面の症状だけで判断するのではなく
原因と病理状態を把握する能力を養わなければなりません。
中医師の責任は重大です。