一つの漢方薬の効果を最大限に引き出すためには弁証要点のほかに、
生薬の配合量と組みあわせについて学ぶこが大切です。
弁証要点は、病因病理の特徴を反映し、生薬の配合とその配合量の調節の目的は
病因病理に対して攻撃にすることになります。
例えば、柴胡と升麻の組み合わせで配合されている方剤に乙字湯と補中益気湯がありますが、
同じ組み合わせでも配合量と他の生薬を配合することで効能効果が変わります。
乙字湯の場合は柴胡の量が多く黄芩と大黄は少なく配合され、
升麻と黄芩の配合が同じ場合、昇陽降濁、清肝瀉熱の方剤になります。
補中益気湯の場合は、柴胡と升麻は極少量で黄耆、当帰、人参を
大量に配合して補脾益気、昇陽挙陥の効能になります。
弁証要点と病因病理を明確に判断するために中医基礎理論と中医診断学を
生薬の組み合わせと処方の働きを深く理解するために中薬学と方剤学を勉強する必要があります。
中国の病院では、患者の状態を診断した後で生薬名と配合量をカルテに記載しています。
この目的の一つは、他の医師がカルテに記された生薬とその配合具合を通じて、
前の先生の弁証要点と治療方針を察知するためでもあります。