中医学アカデミーのシステムには国際中医師試験の過去問題をすべて登録してあるので、
中医学を学びながら、国際中医師試験の準備に繋がります。
今回は基礎理論に関する問題を紹介します。
問題内容
水液代謝で「輸布」の働きを発揮する主な臓はどれか?
A.肺と肝
B.肺と脾
C.脾と肝
D.肺と腎
E.心と肺
解釈内容
選択肢Aの「肺と肝」の関係は、気機を調節することを通じて
間接的に水液の輸布を維持する協力関係があります。
選択肢Bの「肺と脾」の関係は直接に水液の輸布に関与しています。
選択肢Cの「脾と肝」の関係では肝の疏泄は脾の運化を促進します。
この関係で、間接的に水液の運化に関与しています。
選択肢Dの「肺と腎」の関係は主に「水の上源」と「水の下源」です。
選択肢Eの「心と肺」は直接に水液の輸布に関係がありません。
従って、選択肢Bの「肺と脾」を選びます。
注意点
「水の上源」は肺の宣発と粛降作用が水液の散布や輸送、排泄を調節する働きを指します。
「水の下源」は腎の主水作用が水液の散布や輸送、排泄を調節する働きを指します。
選択肢Bの「肺と脾」と選択肢Dの「肺と腎」は、いずれも正しいように思われますが、
津液の輸布に関係するのは「肺と脾」の関係です。
「肺と腎」は水液の輸布だけではなく、水液の排泄にも関係があり、
設問で問われたのは「輸布」の働きですので、
選択肢Bの「肺と脾」を選びます。
水液代謝の故障によって生じる病証は多くあり、その病因病理を分析するときに、
津液輸布の意義を深く理解する必要があります。
従って、一つの問題にトライして、概念を固めながら、
関連する知識も習得することができるのは
中医学アカデミーの勉強システムの特徴の一つです。