内湿とは?

湿邪は、「外湿」と「内湿」の区別があります。
内湿は、脾の健全な運化機能が失調することで水湿が
体内局部に停滞し、凝集した病理状態で
これを湿濁内生(しつだくないせい)ともいいます。

内湿は主に脾腎不足であるために水湿を運化できずに起きます。
内湿の病理特徴は主に湿邪の特徴である重濁の性質によって
気機が阻まれ、気機不暢の状態が生じます。

気機不暢の状態が進み更に気機が阻滞されると
湿阻気機という病理状態になります。

湿阻気機の場所により現れる症状が変わり
臨床では、膩苔、体が重怠い、冷え性、食欲不振
下痢、腹脹、小便が少ない、下肢の浮腫、などの症状が見られます。

外湿と内湿はそれぞれ治療方法が異なり
外湿への治療は湿邪を取り除く方法が主になりますが、
内湿への治療は脾腎虚弱を改善することが一番重要で
脾腎の働きを正常にすることで自ずと湿による影響が減少します。
直接利尿などによって湿邪を取ることは補助的な治療と考えるべきです。

湿邪を取る方法は芳香化湿、利水などがありますが
脾腎虚弱を改善する方法は補脾利水脾、補腎利水などがあります。

外湿の影響が長引けば脾腎を傷つけて、内湿を引き起こすことがあり
内湿の場合は、外湿が侵入し易くなります。
従って、臨床では、外湿と内湿の鑑別だけではなく、両者とも
存在する場合の判断と治療も考えなければならないです。

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