中医診断学で学ぶこと

中医診断学は、全四章で構成されており、中医による診断方法を学び、中医基礎理論と中医診断学の学習が修了することで中医臨床活動の土台が構築されます。

第1章では、中医診断学の大原則である「審察内外」「弁証求因」「四診合参」を、
第2章では、「望・聞・問・切」による四診について、
第3章では、八綱(陰陽、表裏、寒熱、虚実)弁証について、
第4章では、四診によって得た情報を土台に症候を診断します。

中医基礎理論では、臓腑の生理機能の故障により生じた病理反応と、その病理反応による症状を推測する力(分析力)を育てるための教科で、中医基礎理論は中医臨床活動に最も重要で欠かせない教科です。この教科の勉強から、「一因多病」を理解できるようになり、中医学による分析力を身に着けることができます。

一方、中医診断学では、一つの症状から病因病理を判断する力(判断力)を育てるために学びます。分析方向は中医基礎理論と正反対です。中医診断学の勉強から「一病多因」の分析、判断、原則が理解できるようになり、中医学での判断力を身に着けます。

この2教科の学習が疎かになれば、以降の中薬学、方剤学、中医臨床学科の理解が不十分となり、臨床活動の大きな妨げとなります。

四診

「望・聞・問・切」による四診は、中医臨床活動で最も重要な内容です。
四診によって得た情報は治療のための分析の基本データーとなります。

八綱

陰陽、表裏、寒熱、虚実を中心とする八綱は、四診で得た患者の情報から弁証するまでの「架け橋」です。
病気の深浅・病邪の性質や盛衰、正気の虚弱など総合分析を行います。

臓腑弁証

四診と八綱は臓腑弁証を行うための「土台」です。
四診と八綱が曖昧なままでは臨床でつまずくことになります。