中医学のレベルを高めるためには、臨床経験を積むのもひとつですが
臨床経験を支えるためには、専門書を読み理解することも重要です。
中医学の専門書には多くの専門用語が含まれていますので
専門用語を正しく理解して、その内容が把握できるようになります。
そうでなければ、自己流の解釈となり、その後のご自身の成長の妨げになります。
例えば、肝脾不和では腹脹、食慾不振、ゲップ、ため息、泄瀉や軟便気味などの症状が見られます。
その治療では、小建中湯、逍遙散、人参湯、四逆散などで治療するという記載があります。
なぜ違う処方で対応しているかという疑問を持つ方が少なくないと思います。
実際に肝脾不和には肝鬱脾虚、肝気犯脾が含まれていますが
肝気犯脾には、脾虚肝乗が含まれます。
脾虚の場合は、脾陽虚と脾気虚が多くみられ、肝脾不和はまた肝脾不調ともいいます。
専門書を書いている方でも、区別できないなら読者に
迷惑をかけてしまうと思いますが、読者はこの区別が分からないと、
誤解を生じると共に、中医学のレベルがあがらず、
患者に申し訳ない結果を出してしまうことになります。
このような専門用語の勉強は中医基礎理論と中医診断学で勉強します。
従って、中医学の腕を磨くために、中医学の土台とする専門用語を
もう一度深く理解するようにして極めて重要なステージだと考えています。