前回に続き、肝鬱脾虚について紹介します。
肝鬱脾虚とは、肝の疏泄が不足すると共に、脾気虚もみられます。
脾の運化機能が正常に働く条件の一つに、肝の疏泄機能に乱れがないことがあげられます。
その為、肝鬱脾虚は肝と脾の両臓の機能が不足した病理状態にあると考えられます。
肝鬱でみられる症状は、脇腹の脹満か脹痛、ため息などがあり
また、脾気虚では食後の腹脹、酷い場合は腹痛、ゲップ、食慾不振
疲れやすいなどの症状が見れます。
治療方法は疏肝補脾を採用し、代表方剤は逍遙散です。
逍遥散は、疏肝補脾のほかに補脾気にも働きます。
肝の疏泄機能と蔵血の関係からみると、疏泄を正常に行うためには、
肝に充分な血を保持しなければなりません。
逍遥散は疏肝と共に、肝血を補うために芍薬と当帰を
配合している意義は大きなものと考えられます。
肝脾不和の例で、逍遙散、四逆散、小建中湯などのサブタイプを紹介しましたが
このような例は数えきれないほど多くあります。
肝脾不和のように、ほかの病証の治療に一の方剤のみではなく
必ずいくつの方剤で対応しなければならないです。
従って、基礎理論と診断学の勉強の段階で、専門用語を正しく理解することは
将来の臨床での弁証論治のレベルのアップに、はかりきれないほどの力になります。
次は、中医学の腕を磨くための勉強方法を紹介します。