風疹という病名は西洋医学だけではなく、中医学にもあります。
漢字は同じですが、
西洋医学の風疹は中医学の風痧という病気に類似します。
風痧は最初に軽度の発熱や咳嗽流涕が生じます。
発熱の翌日から全身に小さな紅疹が現れ2~3日で紅疹が消え、耳の後ろや
後頭部に現れる腫大(リンパ節腫)で圧痛のある病証を指します。
臨床では、主に邪鬱肺衛、邪熱熾盛の証候があります。
一方、中医学での風疹は疹の形は小さく疎らで少し隆起しており
色はピンク、痒みが止まらない病証を指しています。
多くは風熱で時邪が肺の衛分に鬱結することによって生じます。
臨床上では、発疹前には明らかな症状はなく、発疹時には
一般に軽い咳を伴い、皮疹は多く24時間以内に全身に現れ、
痒身を感じるが、2~3日すると消滅します。
皮疹の消滅後は、皮膚には落屑や斑痕は見られません。
現在では漢字を用いる国は日本と中国だけです。
歴史の変化によって中医学の用語の表示が、
たまたまに現代医学と類似したり、同様になったりすることがあります。
注意しなければならないです。