蕁麻疹の中医治療で、使用した漢方薬について
効果の良し悪しがあり、うまく使えないと質問がありましたが
判断するには、やはり弁証論治が大切です。
中医学で蕁麻疹は主に四つのタイプに分けられています。
それらは、風寒束表、風熱襲表、中焦湿熱、血虚風燥です。
簡単に紹介したいと思います。
●風熱襲表
風熱襲表の場合の蕁麻疹の色は鮮紅で、天気が熱い時或いは
熱いもの(シャワーなど)に当たった場合に酷くなる一方で
天気が寒くなる或いは冷たいものに当たった場合に軽くなるという
特徴があります。
この場合の治療方剤は消風散などを用います。
●風寒束表
風寒束表の場合の蕁麻疹の色は白く、天気が寒い時或いは
冷たいもの(冷房など)に当たった場合に酷くなる一方
天気が温かくなる或いは温かいものに
当たった場合に軽くなるという特徴があります。
治療方剤は麻黄湯か桂枝湯です。
●中焦湿熱
中焦湿熱の場合の蕁麻疹の色は鮮紅か暗紅で、腫れた個所を破くと
粘っこい汁が出て、腹痛、食慾不振、下利便などを伴うことが多いようです。
治療方剤は胃苓湯と茵蔯蒿湯を併用を考えます。
●血虚風燥
血虚風燥の場合の蕁麻疹の色は淡白で、午後或いは夜間に酷くなる
喉の乾き、疲れやすい、イライラして怒りっぽいなどを伴います。
治療方剤は荊防四物湯などです。
日本では、荊防四物湯が販売されていませんが、
消風散1/4の量+四物湯の満量で代用してもいいかもしれません。
いかがでしたか。
蕁麻疹がでるときの特徴や随伴症状などを弁証に役立てて
適切に判断してください。