これまで「疲れ」の処方でお話してきた通り、効能書きや単味の生薬の効果だけ見ていてはダメです。
それなのに、漢方薬局で漢方薬を勧められたものの、「効かないなら、別のメーカーのものにしましょうか」とか、「まあ、漢方はなかなか効き目が出にくいから」とか、ひどいときには、「漢方の効果なんてこんなもんです」と無責任なことを言われたという話も聞きます。
ちょっと待ってください! 漢方薬は、きちんと処方すれば効果が出るのはとても早く、効かない薬などでは決してありません。「効かない」、ということは「処方が間違っている」と、反省すべきではないでしょうか。
患者の症状の正確な診断・判別ができていない。
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知識がない、ということなのです!
中途半端な処方は危険ですらあります。だから中医学の勉強が大事なのです。
現在、210処方の他に多くのOTC漢方製剤及び生薬などが販売されています。これだけの生薬が日本にありながら、いまだ漢方薬は十分活用されてはいません。その理由は漢方薬を真に使いこなせる人材、優秀な人材が少ないからに他ならないと思います。
だから私は、薬を適切に使える、ちゃんと治せる、本当の意味で漢方を扱えるプロになりたい方々を全力で応援したいのです。
日本に来て25年になりますが、「疲れだったら補中益気湯?」「表熱と裏寒の鑑別ってなんですか?」など、なぜいつまでも同じような基本的なことを質問されるのかと疑問に思っていました。
質問をしてくる方々は、勤勉で理解力も分析能力もある熱心な中医学の学習者や医療関係者です。そんな彼らが、なぜ中医学の基本について質問をするのか?
私が日本で何年も活動するうちに気づいたことがあります。日本には漢方が昔からあるように思われていながら、基本から中医学を学ぶ機会が不十分です。基礎とは、専門用語への理解から「同病異治」と「異病同治」までの勉強内容を指しています。これは弁証論治の土台です。
漢方薬を販売するためのメーカー主催による勉強会もありますが、商品を売るための勉強では弁証論治の土台は手に入りにくく、「基本から中医学を学ぶ機会が不十分」である原因の一つと感じました。
このような勉強で漢方の知識を得ようとすると断片的なものになりがちです。中医理論を体系的に、基礎から本当に理解していないと、先に挙げた「疲れ」の例のように漢方の本当の処方を見たてることはできません。
では、いったいどこで学ぶのか?
志のある方々に、なんとしても基礎からしっかり身に付けていただき、本当に効く、患者さんの助けになる漢方処方のプロフェッショナルに、中医学のトップエリートになってもらいたい!!
積年のこの強い想いの結晶として2011年に開講したのが、日本初の中医学eラーニングスクール、中医学アカデミーです。
https://www.iatcm.com/
2015年4月からは、新たにLive講座も始まりました。
https://www.iatcm.com/sougoulive.html
治せる漢方のプロになるために、一緒に頑張りましょう!