ニュースでエアコンの使用によって長期間咳が続く方が
増えていると報じられていました。
最近、電車の中で乾いた咳をしている方が多いなと
感じていたので、原因がエアコンと聞き納得しました。
この咳の特徴は、感冒ではなく痰が絡んだ咳でもなく、
急に咳込む喉の乾燥による乾いた咳です。
今夏は、例年にないほどの酷暑が続き、一日中冷房を付けたまま
過ごした方も少なくないと思いますが、冷房をかけ乾燥した室内は
「肺」にとって必ずしも良い環境とは言えません。
中医学で肺の別名を「華蓋」といい、蓋は傘を意味します。
肺は、外邪の侵入から全ての臓腑を保護する「傘」の役割があります。
五臓の中で最も高い位置に存在し、外邪の侵入を傘を掲げるように
して守る大切な働きがある一方、温度差と乾燥により傷つきやすい
特徴があり、とてもデリケートな臓です。
気温が高い環境では肺の気陰を傷耗します。
乾燥の気候は中医学で「燥邪」ですので、肺気を滞らせて
肺気の宣発粛降に影響を及ぼします。
冷風と高温による温度差、乾燥の環境が肺にもたらす影響を
考えると呼吸器系の疾患を持っている方は、特に要注意です。
燥邪から肺を守るために、お勧めの食材は「梨」です。
また、乾燥した咳を治療する場合、肺陰を補う薬を選んでください。
養陰清肺湯などがよく使われています。
そして、エアコンのお掃除も忘れずに。