「咳・気管支喘息」五虎湯の使用ポイント

五虎湯は辛涼解表薬に属し、麻杏甘石湯に桑白皮を加えた方剤です。
一般でも販売されていますので手に取りやすい漢方製剤のひとつで、
能書には「せき、気管支ぜんそく」と記載されています。

麻杏甘石湯は外感風邪による咳の治療に良く、五虎湯は風寒の邪気の一部が裏に入り
肺熱による咳の治療に用いられます。

五虎湯の病理要点は、表に風寒、肺に鬱熱があります。
配合要点は、麻黄と杏仁が肺の宣発粛降の働きを調和させます。
また、麻黄と石膏の組み合わせは肺の熱を発散し、また麻黄は表寒を発散します
桑白皮は清肺消痰・降気平喘に働き、石膏と桑白皮の組み合わせは肺の熱を冷ます働きがあります。

これらの配合からみると五虎湯が適する症状は、咳、痰が黄色、舌紅で黄苔、悪寒発熱を伴います。
効能が「咳」であっても咳の様子、痰の色や状態、随伴症状など細やかな確認が大切です。

尚、五虎湯は気虚、裏寒、痰飲などの治療には適しません。

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