「咳を漢方薬で治したい。」と相談に来られたら、頭の中に浮かぶことは何ですか?
どの漢方薬にしよう?何からお尋ねしようか?いつから?痰は?などなど。
どのように病状の特徴をお尋ねするか、悩んでいる医療の方が少なくないと思います。
でもちょっと待ってください。
何時から咳があるのか、咳が酷くなるときはどんな時か、痰が絡むか、
痰の色は何色かなどをお尋ねする際に、なぜそれをお尋ねするのか
質問に対する目的を理解していますか。
本当に「咳」なのか、咳であるならばどのタイプの咳なのかを
判断するために確認しなければなりません。
例えば、いつから咳が出たのか聞きます。
この質問の目的は、虚実を鑑別するためであり、期間が短い場合は
実証の咳とカゼに関与する可能性があり
長期間に咳を繰り返す場合は虚証の可能性を考慮しなければなりません。
実証の場合であれば痰湿咳嗽、痰熱咳嗽、肝火犯肺、外邪犯肺があり、
外邪犯肺は、更に風寒、風熱などの区別があります。
実証だけで、5つのタイプあり、この5つのタイプそれぞれの症状の特徴によって
治療で用いる方剤も異なります。
同様に虚証にも区別があります。
目前の患者がどのタイプの咳に該当するのかを判断し
相応しい処方を出すために、それそれの質問に目的をもち、
患者の症状の特徴などを繰り返し確認する作業が必要です。
これらのことは弁証の過程です。
弁証の技を身につけるために、土台から中医学の勉強が極めて重要になります。