汗が気になる。局部にかく異常な汗

中医学の問診の中には、現在の症状のほかに生活習慣、ご家族の病歴
発病の進行などがあげられます。

現在の症状の中には、寒熱、汗、頭、全身の状態、胸部や腹部
耳目、飲食、睡眠、二便など必要に応じて様々な方向から確認しますが、
自汗と寝汗の他、汗のかきかたも全身または局部にでる汗などもそれぞれに違いがあります。

今日は、局部にでる「汗」について紹介したいと思います。

中医学では汗の成分は津液と考えています。
津液は体を潤す働きがあり、陽気が蒸気に変え、毛穴から
体表へでるものを汗と言い、精気が化生したものと考えられています。

人体の生理現象で労働、運動、気温の変化によって
汗が出るのは正常な現象ですが、過度に汗をかくのは
病的な反応で外感、内傷を問わずみられます。

<頭部>
頭面部にかく汗には、上焦邪熱、中焦湿熱、虚陽上越があり
汗の出る場所によって症状が異なります。

<半身>
体の左右片側、または上下のいずれかに汗を多くかく場合は、
汗が出ない側の経絡が塞がれたために生じ、主に中風などが原因になります。

<手のひら、足の裏の汗>
手足は脾胃と関連するので、多くは脾胃の病気と関係があります。

汗一つをとっても部位や時間帯によって原因や症状が異なります。
このような違いを知らなければ、適切な漢方薬を選択できません。
中医診断学で学習する内容です。

「汗」を治療する方剤は玉屏風散、桂枝湯、六味地黄丸などを、
またその他に黄連解毒湯、血府逐瘀湯などを応用して用います。
「汗」の漢方相談が多いそうですが、汗の病理要点を掴み、漢方薬を出してほしいです。

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