問題例


<選択問題>

総合的な中医学の概念の理解、分析力、判断力を身につけていきます。

選択問題は、主に国際中医師標準試験に出題された問題を中心に数多く用意しています。 この問題の特徴は、一つ設問に五つの選択肢があり正解は一つしかありません。この種の問題を解くことで総合的に概念の理解、分析力、判断力を育てることに繋がります。

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■ サンプル正誤判断問題

患者、夏の外出後に悪熱汗出、口渇喜飲、疲労を感じる。舌紅、黄色と白色が混じるような苔、脈数。その証候はどれか?
○ A.中暑
○ B.傷湿
○ C.温燥
○ D.瘟疫
○ E.傷暑


(正解:E.傷暑)
説明内容:
選択肢Aの「中暑」は発熱、突然倒れる、汗が出て止まらない、口渇、呼吸気急、ひどければ昏睡や驚厥(きょうけつ)、絳舌で乾燥、濡数脈などを呈する。
選択肢Bの「傷湿」は頭が腫れるように痛み、前胸部が不快、喉が渇かない、体が重くて痛み、発熱して身体が怠く、小便が清長、白滑苔、脈濡緩などを呈する。
選択肢Cの「温燥」は頭痛発熱に始まり、乾咳無痰あるいは粘稠痰、咽喉の乾痛、鼻や唇の乾燥、胸脇脹痛、心煩して口乾、舌の尖辺が紅・舌苔が薄白で乾燥などを呈する。
選択肢Dの「瘟疫」は憎寒(振戦と煩熱)したあと発熱し、一日過ぎると熱だけで憎寒は消える。最初の2~3日は、脈が浮でも沈でもなくて数、頭痛や身疼があり、昼夜発熱するが、日晡にひどくなる、白粉苔(粉が積もったような白苔)などを呈する。
選択肢Eの「傷暑」は多汗身熱、心煩、口渇、息が荒い、小便が赤く出渋るなどを呈する。
従って、選択肢Eの「傷暑」を選ぶ。

注意点:
中暑とは、夏の炎天下で長時間労働によって気陰がすでに傷耗され、また暑熱によって蒸しあげられるため、上は清竅を乱され、内では神明を焼かれるので突然昏倒する病証を指す。
傷暑とは、夏季に暑邪に傷つけられてひき起こされる病を指す。
臨床では、多汗身熱、心煩、口渇、息が荒い、小便が赤く渋るなどを呈する。中暑と傷暑の共通点は暑気による病証で、夏しか発生しないことである。

相違点について:
中暑は意識不明が見られるが、傷暑は意識不明が見られない。