便秘の弁証では面色無華无、頭暈心悸、舌淡、脈細は( )虚の虚秘の特徴に属する。
(正解:血)
注意点:
虚秘は更に気虚と血虚が分けられている。
気虚便秘の特徴は「便意はあるが力んでも排出できない、短気・排便後に疲労する、脈虚」である。
血虚便秘の特徴は「面色無華、頭暈心悸、舌淡、脈細」である。気虚の虚秘の治療方剤は黄耆湯である。血虚の虚秘の治療方剤は《尊生》潤腸丸である。
日本で販売されている潤腸湯の構成生薬は大黄・当帰・羌活・桃仁・麻子仁である。《尊生》潤腸丸の構成生薬は熟地黄・麻子仁・炒枳殼・当帰・桃仁である。
従って、正解は「血」である。
大承気湯は熱秘の治療代表方剤である。
○正しい
○誤っている
(正解:正しい)
注意点:
内科学では、熱秘の治療方剤は潤腸泄熱・行気通便に働く麻子仁丸である。大承気湯は湿熱壅滞の腹痛を治療する方剤である。
熱秘の病理特徴は熱が腸胃に溜り、津液を損傷することで大便乾結となるのである。
麻子仁丸と大承気湯に大黄、厚朴が入っているが、配合率から見ると麻子仁丸は小承気湯(大黄は厚朴より二倍多い)に近く、大承気湯の配合特徴は厚朴が大黄より二倍ぐらい多いである。
従って、「大承気湯は熱秘の治療代表方剤である」は誤りである。
正しいのは「麻子仁丸は熱秘の治療代表方剤である」である。
一ヶ月余り便秘。大便乾結、小便短赤、面紅身熱、口乾口臭、舌紅苔黄燥、脈滑数、治療するために選ぶ方剤はどれか?
○ A.大承気湯
○ B.六磨湯
○ C.麻子仁丸
○ D.更衣丸
○ E.《尊生》潤腸丸
(正解:C.麻子仁丸)
選択肢Aの「大承気湯」は内科学では熱秘の便秘に使わず、湿熱壅滞の腹痛に使う方剤である。この大承気湯は傷寒論の陽明腑証の便秘、潮熱に対して治療を行うが、一ヶ月以上の便秘の治療に相応しくないである。
選択肢Bの「六磨湯」は気秘の治療方剤である。
選択肢Cの「麻子仁丸」は熱秘の治療方剤である。
選択肢Dの「更衣丸」は熱秘に肝火を伴う場合の治療方剤である。
選択肢Eの《尊生》潤腸丸は血虚の虚秘の治療方剤である。
従って、選択肢Cを選ぶ。
注意点:
「一ヶ月あまりの便秘」は便秘を診断する情報である。「大便乾結、小便短赤、舌紅苔黄燥、脈滑数」は熱秘の特徴症状である。纏めると、病名は便秘である。証候は熱秘である。
「面紅身熱、口乾口臭」は胃腸の燥熱の酷さを反映する。すなわち、胃の燥熱が盛んで胃陰を損ないながら、胃の濁気の上昇を反映している症状である。